◆2017年8月5日(土)
山頂は狭くははいけれど、広くもない。
何よりうじゃうじゃ人がいる!
静かな早月を登ってきた私たちにとっては
驚きの人数だった!!!
休憩をとるたくさんの人の中に紛れて、
うっかり見落としてしまいそうな三角点。
小説「点の記」を思い出しながら
そのすぐ横に腰をおろし、
朝弁当の残りを食べる。
立山方面。
富山湾方面。
「最高ーーー!」
休憩をとっている間に
みるみる雲がわいてきた。
富士山の両側から
雲のカーテンが閉じようとしていた。
急峻な八ツ峰の奥、
鹿島槍以南も時間の問題かな。
■9時15分
名残惜しいが下山しよう。
馬場島までの長丁場が待っている。
「あの道を下るのか・・・」
「登り以上にタイヘンダ」
「試練」の後半戦がはじまった。
別山ルートの黒い岩壁に、
たくさんの登山者が
へばりついているのが見えた。
まるでアリの行列のようだった。
早月小屋の赤い屋根がちっちゃく見える。
ほぼ一直線!
■9時25分
分岐通過。
雲量があっという間に増えた。
富士山たちの姿はもう見えない。
眺望のよい時間帯に山頂に立てて
本当に良かった!
ガイドブックには、
「別山尾根を下りてしまわないように」
とあるけれど、
今日は視界良好なので迷うことはなかった。
■9時35分
カニのハサミ。下降開始!
下はまっしろ。
一度通った道。
でも、行きと帰りでは違う景色に見える。
■9時50分
シシ頭。
例の鉄杭に足をかけたところ。
クサリが途切れて、
ホッと一息。
ここのチングルマはもう綿毛。
■10時10分
標高2800m。
核心部を例えるならば、
ハシゴのない槍や奥穂の穂先が
ずっーと続くようなルートだった。
早月コースでは
シシ頭やカニのハサミが有名だけど、
それ以外のクサリ場でも
スタンスに困ることが多々あったし、
むしろそちらの方が難しく感じた箇所もあった。
そして、
クサリなどの補助がついていない岩場には
また違った緊張感が漂っていた。
核心部が終わったとはいえ、
下りはコワイ。
足を滑らさないよう、気が張りっぱなし。
どんどんガスが濃くなってきた。
「雨は落ちてこないで・・・」
しばらくして、
登山道をライチョウの親子が横切るのが見えた。
しばらくして、
登山道をライチョウの親子が横切るのが見えた。
■11時00分
標高2600m通過。
■11時25分
木渡り?が見えてきた。
こちらから見るとなかなか造形深い道。
「すごいところに道を通したな」
■11時45分
標高2400m通過。
ザレた道も緊張する。
木々が高くなってきた。
もうすぐ小屋のはず・・・
■12時05分
朝、小屋を出発してから約7時間。
ようやく戻ってきました!
早月小屋に着くと真っ先に
冷えたコーラを購入!
「あーーー!生き返る!」
こんなにおいしいコーラはめったにない!!
軽く昼食をとり、荷物を回収・整理する。
■13時00分
すでにかなりのお疲れモード・・・
でも、馬場島までがんばろう。
あと約4時間・・・で下りれるかな?
Tシャツを半袖に着替え、
早月小屋を後にする。
■13時05分
丸山ピーク通過。急坂がはじまる。
足に疲労がたまってきていて、
踏ん張りがきかなくなっている。
焦らず、ゆっくり歩くしかない。
■13時30分
サンショウウオの池通過。
■13時40分
標高2000m通過。
■14時00分
1920.7ピーク通過。
うだるような暑さに体が火照る。
風でも吹いてくれればいいのに。
風の通らない尾根歩きは
まだまだ続く…
うだるような暑さに体が火照る。
風でも吹いてくれればいいのに。
風の通らない尾根歩きは
まだまだ続く…
■14時15分
やっと大木が出てきた。
木の根の高い段差に
辟易しながら下りていく。
日帰りの方たちに道を譲る場面が
ぐっと増えてきた。
「お先にどうぞ~!」
でも、
「なんでそんなに元気なんですか~!?」
■14時20分
標高1800m通過。
このあたりで撮った写真に写る
ダンナの顔はすっかり無表情・・・
きっと私も同じような顔をしているはず。
このあたりから頑張ることをやめた私。
西日が入り、登山道はかなり明るい。
どんなに遅くなっても暗くなる前に
馬場島に着くだろう。
時間は気にせず、滑って転ばないことだけに
細心の注意を払って一歩一歩、
さらにゆっくり歩いた。
■14時55分
標高1600m通過。
■15時10分
標高1400m。
切り株のイスがある休憩ポイント。
日陰がなくてとても暑いけれど、
腰をおろして休憩。
足を休めないと・・・
■15時20分
10分休んだくらいでは、
疲れはほとんど取れないが、出発!
■15時55分
標高1200m通過。
■16時15分
やっと一服杉。
「帰ってきたなー」と感じる。
■16時20分
やっと平坦な道があらわれた。
松尾平だ。
■16時35分
標高1000mベンチ。
馬場島まであと1km!
あまりのしんどさにベンチで寝転んだ。
そして、虫にさされた。
■16時50分
休憩終了。
いよいよ最後の下り!
急な階段が続く。
■17時10分
足元ばかり見て歩いていたら、
ポーンっと、
いきなり登山口が視界にはいった。
思わず立ち止まり、
声にならない声が出た。
■17時12分
「試練と憧れ」1泊2日の剱岳。
無事下山!
安堵と達成感が押し寄せた。
厳しい登り、
緊張の岩稜、
長くつらい下り・・・
早月尾根は、今まで登った山とは
比べものにならないくらい険しかった。
でも豊かな自然美を見せてもくれた。
この山を歩けた幸せを
かみしめずにはいられない!
■17時20分
駐車場への道すがら、
馬場島キャンプ場の炊事場で
手と顔を洗う。
ダンナは頭から水をかぶっていた。
水のありがたさが身にしみた。
■17時30分
汗だくで早くさっぱりしたかったけど、
馬場島荘の日帰り入浴の時間には
間に合わなかった。
食堂でスポーツドリンクを買って一気飲み。
ふもとの温泉へ移動しよう。
剱岳はぶ厚い雲の中だった。
下山後、最大級の筋肉痛がやってきた。
こうしてブログを書いている今も
筋肉痛がまだ癒えない。
私はまだ、「試練」の中だ・・・
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■今回のコースタイム
●1日目
【所要時間】約5時間35分
(休憩時間約25分+立ち休憩含む)
08:00 登山口
08:35 標高1000mベンチ
09:00 一服杉
09:30 標高1200m
10:10 標高1400m(休憩①)
10:50 標高1600m
11:30 標高1800m
12:00 1920.7mピーク
12:20 避難小屋跡地(休憩②)
12:35 標高2000m
13:30 丸山ピーク
13:35 早月小屋
●2日目
【所要時間】約12時間20分
(休憩時間約2時間5分+立ち休憩含む)
04:50 早月小屋
05:30 標高2400m
06:15 標高2600m(休憩①)
07:25 標高2800m
07:55 シシ頭
08:10 カニのハサミ
08:30 別山尾根分岐
08:40 剱岳山頂到着(休憩②)
09:15 下山開始
09:25 別山尾根分岐
09:35 カニのハサミ
09:50 シシ頭
10:10 標高2800m
11:00 標高2600m
11:45 標高2400m
12:05 早月小屋到着(休憩③)
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13:00 早月小屋出発
13:05 丸山ピーク
13:40 標高2000m
14:00 1920.7mピーク
14:20 標高1800m
14:55 標高1600m
15:10 標高1400m(休憩④)
15:55 標高1200m
16:15 一服杉
16:35 標高1000mベンチ(休憩⑤)
17:12 登山口
■コース上のトイレ
馬場島キャンプ場・早月小屋
■主な費用
馬場島荘前駐車場 無料
早月小屋
・1泊2食 10,000円/1人
・お茶・ジュース 500円/1本
・水500ml 400円/1本
・水2L 900円/1本
馬場島荘
・スポーツドリンク 200円/1本
・コーラ(160ml缶) 100円/1缶
■今日の温泉
アルプスの湯 610円/1人
・つるぎふれあい館
(上市町保険福祉総合センター)内
・温泉の種類が豊富
・露天風呂が2種類もある
(高濃度人工炭酸風呂と源泉かけ流し)
・脱衣所も洗い場も広々している
・610円でこの施設充実ぶりはすごすぎる!